#6 海外与信で必ずチェックしたいカントリーリスク

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海外取引のはじめかたと知っておくべきリスク管理

意識しておくべき国としての支払能力

貿易を行う上で取引先の信用度と同じ、あるいはそれ以上に重要なのが、取引先が存在する国のカントリーリスクである。

カントリーリスクといっても様々なリスクが存在するが、貿易を行う上で重要なのは、次の3点である。

  1. 戦争や紛争などが勃発するリスク
  2. 国家として債務不履行に陥るリスク
  3. 外貨管理上の制限で取引先が送金できないリスク

大手商社や銀行では、こうしたリスクを自社や系列の研究所で分析しているが、一般の事業会社には、そこまで人員を避ける余裕はない。 

日本貿易保険の保険の引き受けの基準となる国別のカテゴリーを参考にしている企業は多い。

OECDカントリーリスク専門家会合において、国毎の債務支払い状況、経済、金融情勢等を議論し、それぞれの評価が決定している。

日本貿易保険は、このOECDの評価を基に、国、地域のカテゴリーを決めている

A~Hまで8段階のカテゴリーになっており、もっとリスクの低いのがA、高いのがHとなっている。

GやHになると、引き受けできない国や地域も多い。

例えば、今、話題のミャンマーはHである。引受停止ではないが、条件付きで引き受けできる。

しかし、L/C条件が付いており、輸出の場合、L/C取引でなければ保険が付保できない。

貿易保険は、実質的に国が民間企業の海外展開をサポートするための保険という位置づけであるから、カントリーリスクの高い国でも政策的に保険を引き受ける場合もあるだろう。

そう考えると、民間企業としては、株式会社日本貿易保険(NEXI)の評価をそのまま採用するのではなく、多少厳しく評価する必要がある

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